マーティン・スコセッシ監督『アイリッシュマン』

全員老けたな〜というのがとりあえずの感想です。ジョー・ペシとか、『グッドフェローズ』のときと比べて別人じゃん。ギラギラ感ゼロだし。ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノはまあ、ぎりぎりギラギラ感残ってるけど、にしても枯れてるわ。

でもまあ、面白かったです。『グッドフェローズ』とは完全に別方向だけど、これはこれで良かった。「老い」がテーマなんですが、スコセッシ監督なんで安易な老いを描いてないし、身につまされる。「ああ、歳を取るにつれてこんな感じになっていくんやな…」というのがしみじみと分かった。自分の人生を振り返ってしまいましたわ。

見る前は『グッドフェローズ』とか『カジノ』のギラギラ感、痛快さを求めてたので、思ってたのとはちょっと違うんですが、それでもそのへんの映画よりはギラギラ感あるし、テンポ良く描かれてるので、スコセッシ、老いてんのにすげーなとは思います。ものすごく良くはないけど、やっぱりすげーなと。

なんていうか、テーマがはっきりしてるし、そのテーマに沿って無駄なく描かれてるし、完成度はめちゃくちゃ高いんですよね。あとはもう、「老い」っていうテーマに興味があるかどうかで。「老い」っていうテーマ以外に特にフォーカスしてる部分はないんですよ。序盤のロバート・デ・ニーロの犯罪ダイジェストや出世物語なんかも、「老い」を際立たせるための装置であって、あんまり力入れてる感じじゃないし。「そういうのはもういいよ」というスコセッシ監督の考えが伝わってきてしまう。良くも悪くも。

だから「このシーンがめちゃくちゃ面白い、かっこいい」という感じではなくて、全体を見終えて「なるほど」と思う映画なんだけど、この「なるほど」はつまんない「なるほど」じゃなくて、面白い「なるほど」なんです。そんな映画。良かったです。

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