木嶋隆太・さんど『最強タンクの迷宮攻略』の感想

作画の人、誠実

なんだろう。絵がかわいいな。絵がうまいとか、女の子がかわいいとかじゃなく、絵がかわいい。下手とも違う。

なんか、表現の方法に良い意味でこだわりがないのがいいな。頭を下げるときは「ぺこ」とか書いて、うなずくときは「こくこく」とか書いて、とりあえずなにやってるか分かればよし!っていう素直さがかわいい。絵を描いてるさんど氏はきっといい人。

『キン肉マン』みたいな誠実さ

この素直さはどこかで見たことがあると思ったんですが、あれです。ゆでたまご先生です。『キン肉マン』の。

『キン肉マン』って決して上手い絵ではないじゃないですか。動きとかもなんか描けてないし。でも「動きが描けないなら効果線で分かるようにすればいい!」「それだ!」みたいな、読者目線の誠実さがあるじゃないですか。

それと同じものを、この、さんど氏に感じます。誠実。手抜きとは違う。みんなに伝わる共通の記号を使って、とにかく分かりやすいものにしよう、という誠実さの結果。

かわいい女の子の絵の横に「美しい…」って文字で書いてるんですよ。それは「美しい」と思ってしまいますよ。

ちゃんと説明してくれてる

なんか、こんな感じで書くとディスってるように受け取られるような気もしますが、そうではなくて、「ちゃんとみんなに分かるように」という姿勢がちょっと泣けてくるなと思うんです。マンガの内容とかじゃなく。

いま戦ってる魔物がどれだけ強いのかをちゃんと説明してくれるし、これから何をしようとしてるのかもセリフで言ってくれるし、すごく親切です。

こういう姿勢というか資質って、めちゃくちゃ大事だと思うんですよね。『刃牙』とか『カイジ』とかも、ひとつひとつの行動をちゃんと解説してくれるじゃないですか。読者に委ねてないじゃないですか。その話の面白い部分を100%伝えようとしてるわけですよ。で、実際伝わってるから売れてるし。

ただ、面白くはない

一方でこのマンガが面白いかというと、そんなに面白くはないです。分かりやすけど面白くはない。ちゃんと面白い部分を伝えようとして、伝えきった上でそんなに面白くないということは、もう仕方ないですよね。こればっかりは。

2話目からの情報量がおかしなことに

と思ってたら二話目、いきなり情報量多いな。1ページあたりの情報量多すぎないか。

小説と同じくらいの文字数になってる気がする。

漫画版『家畜人ヤプー』みたいな読みにくさ

これはあれです、思い出しました。漫画版の『家畜人ヤプー』と同じです。もう小説を読んだほうが早いんじゃないかっていう。

「分かりやすく書く」という姿勢と誠実さを持ってして、原作の持つ情報量に追いつけてない。紙が貴重な時代じゃないんだから、もっとスカスカに描けばいいのに。『血の轍』みたいに。

時代か?

あれか? 一話ごと買い切りのシステムだから、とにかく一話あたりの情報量を増やした方がお得感があって売れんのかな。

貴重なお小遣いをマンガに費やす以上、できるだけ情報量がほしいとか、そういうこと? そんな時代?

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