板垣恵介『グラップラー刃牙』の感想

『刃牙』ってみんな読んでるじゃないですか。『刃牙』『HUNTERXHUNTER』『ジョジョ』って日本人全員読んでるじゃないですか。『ONE PIECE』は読んでなくても、あ、この人はワンピース読んでないんだな、で済むけど、刃牙やジョジョを読んでないってことは「マンガを読んでない」ってことじゃないですか。

でも私はずっと読んでこなかったんです。刃牙を。

もちろん刃牙というマンガがあることは知ってたし、それが面白いマンガであることも知ってました。「売れてるマンガ」じゃなく「面白いマンガ」だっていう情報って、なんか分かるじゃないですか。たとえば、これ全然読んでない上で言うんですけど『鬼滅の刃』って売れてるじゃないですか。『鬼滅の刃』が「売れてるマンガ」だってことは知ってるわけですよ。当然。でも、『鬼滅の刃』が「面白いか」ということになると、分からないんです。読んでみないことには。売れそうな絵柄で、売れそうな内容なら、まあ売れるでしょうね。でも個人的に面白いかどうかは分からないよね、という。

ただ、これが『刃牙』とか『カイジ』なら、まあ面白いんだろうなと思うわけですよ。絵柄独特じゃないですか。癖のある。そういう絵柄で売れてるってことは、面白い、ってことじゃないですか。「癖のある絵柄なのに売れてる=面白い」の法則があるわけですよ。

そんなわけで、刃牙が面白い漫画であることは知っていたんですが、それでも読まなかったのは「どこから読んだらいいか分からない」というのが一番でかいです。いろいろ種類があって。どこから読めばいいのか調べるのも面倒で。

でもちゃんと Wikipedia で調べました。そしたら、とりあえず『グラップラー刃牙』から読めばいいんだということが分かったので、『グラップラー刃牙』を Amazon でセット買いしました。実際手にとって読んでみたら、「あ、たしかにこれが最初のやつだな」というのが分かったので、まだ刃牙シリーズを読んだことのない人は『グラップラー刃牙』から読み始めるのが正解です。

他にもいくつか読んでこなかった理由はあって、たとえば「みんなが読んでるなら、自分はもう読まなくてもいいかな…」という気持ちや、「今さら乗り遅れた状態でついていくのもな…」とか、「絵柄が苦手」とか、「結局のところ格闘マンガなんでしょ?」とか、「シリーズ全体が長すぎて、娯楽というより勉強になってしまう」とか、いろいろあります。

そんな刃牙ですが、今、私は完全版の1〜3巻を読んだところになります。刃牙の父親が地下闘技場に現れて、おろちとかいうやつと闘うことになったところです。

感想です。

まず、初期の絵柄に大友克洋の影響、『AKIRA』の影響があることに驚かされました。どんだけ影響力あるんだよ、大友克洋。みんな大友克洋に影響されすぎでしょ。今ではあんな独特な絵柄の板垣恵介先生も、初期は大友克洋に影響されていたとは。そのことが何よりも驚きでしたよ。

読んでいて、まあ面白いんですが、今のところ「独特な面白いマンガ」の領域です。楳図かずおのマンガを読んでいるときの「どうなってんだよ楳図の頭の中…」みたいな領域ではないです。ずっとこの調子なら、まあ、なるほどね、という感じで終わりなので、きっとこのあとめちゃくちゃ面白くなるんでしょう。

ひとつ釈然としないのが、マウント斗羽ことジャイアント馬場戦、いったん戦闘力のレベル下がってないか? というところです。格闘マンガが強さのインフレを起こしてしまい、収集がつかなくなることは『ドラゴンボール』等が示していますが、わりと序盤のマウント斗羽戦で既にそうなっちゃてね? というのが気になったところではあります。マウント斗羽の前に闘った、なんか人の神経切断しちゃうやつの方が強くなかったか? 刃牙、そいつに勝ったのに、そいつより弱いマウント斗羽に苦戦してるっておかしくないか? と思いながら読んでました。ジャイアント馬場を出したいばっかりに、戦闘力の整合性ごまかしてないか? そういうことが気になっちゃうと、もう闘いに集中できないので、「頭を蹴ったり、羽交い締めにされたりしてるね」とぼんやりし考えながらページをめくる状態になってしまうのです。要は、マウント斗羽戦はあんまり面白くなかった。だって刃牙、マウント斗羽には勝てそうなんだもん。普通に。

あと、視神経切断されてんのに天才外科医が簡単に治しちゃうって、マンガとはいえどうなの? とも思います。それがありなら、もうなんでもありじゃん。男塾じゃん、と思うわけです。そうなるともう、「真剣勝負!」とはならないですよね。

まあそういうモヤモヤはあるんですが、全体としては独特で面白いです。でもまだ「すげ〜…」というレベルではないです。引き続き読み続けたいと思います。

あと、あれですね。エロ描写がないところはいいなと思います。多少なりともエロ描写に頼りそうなもんなのに、まったくエロに頼ってないし、恋愛要素すらないですからね。そういう余計な要素を排除してるところはありがたいです。

あと、絵が意外と読みやすい。絵柄は独特だけど、画面全体が余白が多くてシンプルなので疲れずに読める。親切。

読み続け、そして追記します。

面白くなってきた

範馬勇次郎が出てきてから一気に面白くなった。範馬勇次郎あっての刃牙。もうこいつさえいればいいな。ジョジョにおけるディオと同じで、めちゃくちゃ強いんだけど悪いやつで、そういうやつが一番面白い。主人公が絶対に勝てないキャラを出してきて、そいつでどんだけ引っ張るかがバトルマンガでは一番大切なとこやと思うんや。範馬勇次郎はその理想系。ライバルとかいう次元じゃないからね。

で、高校生編から中学生編に時間を戻したのも賢いですよね。バトルマンガのインフレ問題解決ですもんね。中学生編は面白かった。

ただ、死闘を繰り広げた相手と最終的に心を通わせるようになるのはおかしいやろって思うけども。ユーリとか、スポーツマンなら分かるんだけど、ヤクザやで? はっきり殺しにかかってるヤクザと心の友になれる? 全員味方になってしまうのがさすがに萎えてしまう。ウケるとかではなく。普通に萎える。

で、なんか32人で闘うトーナメントのところに入ったんですけど、どうなんすかね。ちょっと気持ちは醒めてますけどね。もう何度目のトーナメント戦? バトルマンガで何回見てきたことか。普通のトーナメントを超える何かがないと嫌です。まあ範馬勇次郎が乱入してきたのでそれなりに面白くはなると思いますが。

続き読みます。

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