植田まさし『コボちゃん』の感想

『コボちゃん』ですよ。あの、植田まさしの。あれをあえて読んでみたんですよ。令和のご時世に。

『コボちゃん』で大爆笑なんてことは、まあ、ないんですが、まったく面白くないかというとそんなこともなくて、「なるほど」という感じで面白い部分はあるんです。特に『コボちゃん』が優れてる点としては、ハードルが低いからなのか、植田まさしが肩の力を抜いて描いているからなのか、寒いと感じることがないんですよね。

「寒い」って、結局まわりの目を気にしてるから発生する感情で、植田まさしが「別にみんなに受けなくてもいいし、そもそも俺のマンガそんなに面白くないし」と思ってれば、寒いっていう状態にはならないんですよ。作者の気負いと実際の面白さとの落差が「寒さ」なので。まさしの気負いがゼロなら寒くもならないと。

「コボちゃん最高じゃん! 全部買お!」とは絶対にならないんですが、何冊か買って手元に置いておいてもいいかな、と思いました。なんというか、『コボちゃん』、笑いについて考えるときのものさしになる気がするんですよね。

世の中いろんな笑いがあって、特にギャグマンガに絞り込んだとしても、無数にタイトルあるわけじゃないですか。大量のギャグマンガを読んでると、だんだんゲシュタルト崩壊してきて、何が面白くて何が面白くないのか分からない、という状態になるんですよ。そういうときに、箸休めとして『コボちゃん』を読む。そうすると、笑いに関する感覚がいったんリセットされる効果があるんです。で、改めてなんかのギャグマンガを読むにあたって、「これは『コボちゃん』より面白いと言えるのか?」という視点で見てみると。それで『コボちゃん』よりつまんなかったら、「この令和に描かれたマンガなのに『コボちゃん』よりつまんないって」と冷静に判断できるじゃないですか。

そういう効果が『コボちゃん』にはあります。

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