新海誠監督『天気の子』の感想

一番売れてるやつなので感想書く

せっかく見たんで文章として書きますよ、それは。だって『天気の子』ですよ? 間違いなく一番売れてるやつですよ? そりゃ書きますわ。

まあこんなん、賛否両論分かれるに決まってるし、「賛否両論分かれるように作った」って制作の人たち言ってるし、賛か否かで語ってしまいますよね。なんとかそういう語り方は避けたいと思いますが。

良かったところ

説明しすぎてない

一番良かったなと思うのは主人公の男の子の島での暮らしだとか、なんで東京に逃げてきたのかとか、そういう理由が描かれてなかったところです。

どんな理由だってありえるし、そこは観客の想像に任せるのがいいに決まってるし、新海監督抑制効いてて偉いなーと思いましたね。

終わり方

あとはまあ、なんですかね、普通ですけど、終盤で東京が水に沈むのが良かったですね。

あれってグッドエンドじゃないじゃないですか。普通に考えたらバッドエンドじゃないですか。でもそれを結論として持ってくるって、やるじゃん新海!ってなりますよ。

あれでみんな助かる方選んでたらほんとしょうもない映画になるところを、正しい方選択したな、って。

キャラデザ

絵がきれいだね、みたいのはありますが、それが当たり前にできてるのってすごいことなのかもしれませんが、まあそこはあんまり興味がないかなっていうのが正直なところです。この映画については。

それよりもキャラデザです。キャラデザが良い。これがたぶん、この映画の一番優れてるところだと思います。日本人が現時点でアニメに求めるキャラデザの最大公約数を完璧に捉えてる。すごい。

ツッコミたいところ

悪いところというか、ツッコミたいところは色々あります。

拳銃の扱い

まず、一番「はぁ?」って思ったのは、拳銃の扱いですね。拳銃を持ち続けてる意味が分からん。

普通に考えて捨てるでしょ。警察に持っていけないのは分かるけど、川とか海とかに捨てた方が安全なんだから。東京に居続ける、という点から考えても。

拳銃ってのがなんかの象徴なんでしょうけど、そもそもそういう象徴必要かな?

象徴じゃなくて、話を進めるための小道具だとしたら、めちゃくちゃ安易だと思うし。

単に「終盤で警察に追われる盛り上がりシーンを入れたかったから、主人公に持たせた」っていうだけでしょ。そりゃあまりにも雑すぎやしませんか。クライマックスの盛り上げ方として。

風俗嬢になるのを止めることが正しいとされている感覚

あと、女の子が風俗嬢になるのを男の子が止めるシーンがあるんですが、女の子が生きてくために決意して風俗嬢になるのを止めることが「正しいこと」として描かれてるのが違和感がありますわ。

結果として女の子が晴れ女だったからお金稼げてなんとかなったけど、晴れ女であることに気づくのがもう少し遅かったら、そもそも気づかなかったら、金銭的に生活破綻するわけじゃん。

そこの可能性を示唆しないところがずるいなと。都合よく描いてんなと。

まあ、後から見れば晴れ女として酷使することが風俗のメタファーなんだろうけど、それも別に酷使してる意識あってやってたことじゃないからなー。

「酷使してることに気づいてたけど、それでも黙って続けさせた」とかならともかく、主人公の男の子は良かれと思って仕事取ってきてるわけだから。

主人公の男の子にヘイトを向けさせない作りになってるところがずるい。

RADWIMPS かかりすぎ問題

あとはそうですね、映画全体が RADWIMPS の MV みたいになってるのが、曲がかかるたびにちょっと受けてしまうんですが、まあこれはいいや。

大人の理解なさすぎ

あとあれです。大人の理解なさすぎ。理解ない感じに描き過ぎ。

「主人公にはそう見えてる」とかじゃなく、普通に理解がないので。話せば分かる大人、もっといっぱいいると思うよ。

大人に相談したら姉弟が一緒に暮らせないとか、島に送り返されるって決まってるわけでもないし。実際『ムー』の編集者のおっさんはそうしてないわけだから。

ここも拳銃と同じで、主人公を窮地に立たせるための装置として設定してるように見えちゃうんですよね。

序盤、普通に退屈

さらに言うと、序盤退屈。晴れ女の奇跡を見せるまで、普通につまんなかったですもん。賛否とか言う以前に。

晴れ女の奇跡以降は面白かったけど。

でも面白かった

という感じで、いろいろツッコミどころはあるんですが、全体としてつまんないかっていうとそんなことはなくて、普通にそれなりに面白い映画として見れたので、まあいっか、という感じです。

女の子の指輪が手からこぼれ落ちるところとか、めちゃくちゃ泣けたし。

脚本の甘さを映像的な演出の力技で押し切った感があるので、それはそれですごいんじゃないかなと。

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